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Category:呼吸器疾患

2021年8月5日
病原菌における鑑別、パスツレラ症

ほとんどのウサギが鼻腔内にパスツレラマルトシダを不顕性に保菌しており、ストレスが加わると発病する可能性があります。一方パスツレラがスナッフルや膿瘍などの主原因菌とは昔ほどいわれなくなってきています。

パスツレラ·マルトシダは小型で両端膿染性の卵円形をしたグラム陰性標菌です。

この菌はウサギの呼吸器を侵すばかりでなく中耳炎、内耳炎、皮下膿場、乳腺炎、化膿性心膜炎、脳脊髄膜炎などあらゆる部位の化膿性病変の原因菌となり、さらにその特定の菌株は出血性敗血症を引き起こすことも知られている。

進行した症例では濃厚で粘着性のある黄色の鼻汁がみられます。豊富な粘液膿性物質が外鼻孔から排池され周辺の皮膚に痴疲をつくります。

催患したウサギは前肢で膿性分泌物をぬぐいます。

前肢の被毛は光沢がなくなり、色あせます。

発咳はくしゃみやいびきほどー般的ではない。飼い主は呼吸性の雑音を聴取することができ、ウサギが職鳴していると考えます。

さらに、食欲不振が起こるが、それは喫覚が弱まるためか、あるいは唄聯と同時に呼吸するのが難しいためです。毛繕いが難しくなるのはウサギが呼吸と毛繕いを同時に行うことが難しいからです。進行した症例では抗菌薬への反応は弱く、一般的に再発しやすいです。慢性鼻炎のウサギの鼻洞の剖検では、これらの症例がなぜ治療困難であったか明らかになります。鼻腔は蓄膿し、副鼻腔まで広がっています。

パスツレラ症は人畜共通感染症です。動物からヒトへのパスツレラ菌感染は、大半は動物の咳傷によるとされています。ウサギがヒトを唆むことはあまりないとされています。

しかし最近は咬みウサギが増えているように思えます。

ヒトへの伝染については完全に否定されているとはいいがたいので注意します。とくに傷のある手で病原菌に触れることは避けるべきです

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執筆者

水前寺公園ペットクリニック院長

うさぎの病院、水前寺公園ペットクリニック院長 中田至郎

学歴

  • 熊本市立桜山中学校 卒
  • 私立真和高等学校 卒
  • 麻布大学獣医学部獣医学科 卒
  • 熊本大学医学教育部博士課程 卒業(医学博士)

所属等

  • 熊本臨床獣医師研究会
  • 一般社団法人 日本獣医エキゾチック動物学会 理事
  • 九州エキゾチック動物臨床研究会 会長
  • 日本獣医皮膚科学会
  • 公益財団法人「人と動物の会」
  • 麻酔外科学会
  • エキゾチックペットセーバーインストラクター(資格団体:一般社団法人日本国際動物救命救急協会)
  • 鹿児島大学共同獣医学部付属動物病院パートナー病院

詳しい経歴はこちら

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