呼吸異常

呼吸器疾患に催患したウサギは全身状態が著しく悪化していることもあり、判断は困難になることがあります。身体検査を行う前にストレスを最小限に抑えながら視診を行う時間をつくります。

(1)胸式呼吸

ウサギは横隔膜呼吸であります。犬や猫では通常の呼吸と思える場合も異常呼吸であることがあります。胸郭の動きやウサギの診察に不慣れな場合、まず胸の動きを観察することです。

(2)吸気性努力呼吸

犬や猫では、軟口蓋過長症や喉頭疾患、気管虚脱などが考えられますが、ウサギでは私の知るかぎり喉頭疾患は起こりづらく、気管虚脱のX線像でも呼吸困難はわかりづらいです。鼻呼吸を中心にしているウサギでは、鼻腔疾患の臨床症状であることも比較的多く胸腔内疾患と決めつけるべきではないです。吸気性努力呼吸下での鼻腔疾患は、X線検査で容易に確認できることが多いです。

(3)呼気性努力呼吸

大や猫では気管支の状態悪化による疾患であると考えられていますが、ウサギでは判断が難しいところであります。

(4)吸気呼気努力呼吸

ウサギでは、鼻札が大きく開き、胸郭の動きが確認でき、さらには顎を反らすといった状態であり、重篤な疾患の徴候です。

鼻道が完全に閉鎖されなくとも開口呼吸がみられます。

肺炎、肺水腫、リンパ腫や胸腺腫、原発または転移の腫傷、といったいわゆる呼吸器疾患、また心疾患、子宮系疾患、心腎連関による貧血など循環器の問題、さらに腹部の腫場や高齢ウサギでまれにみられる横隔膜筋の変形といった圧迫性の呼吸促迫などがウサギではよくみられます。

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