はじめに

ウサギの呼吸器疾患について

「ウサギの呼吸器疾患」というテーマについて改めて考えてみると、肺あるいは心臓にかかわる疾患は幾つも思いつきます。

それらは下部呼吸器で、胸部疾患とも重なる部分があり、文献・資料・成書も存在します。

それに対して鼻腔、副鼻腔などの上部呼吸器は「歯牙疾患とスナッフルに絡んだ症状」という、ある種の常識にとらわれ、それより先の展開がないことに気づかされました。

正直、情報量も下部呼吸器とは比較にならない程乏しいのが現状です。

実際に日々ウサギの診療を行っていると「歯牙疾患」とも「スナッフル」ともつかない症状に出会うことがあります。

私のなかに矛盾と疑問と違和感があり、そう感じている獣医師はほかにもいるのではないかと思います。

そこで今回は鼻腔、とくに副鼻腔の解剖とX線検査に焦点を当ててみました。

昨今X線もデジタル化が一般化しており、CTあるいはMRIでなくとも拡大陰影を駆使すれば、充分な画像診断が可能であり、新たな上部呼吸器疾患の診断基準の一翼となりえるでしょう。

それはすなわちその先の治療に繋がることとなります。

ぜひ、歯牙疾患と結論づける前にほかの要素も視野も入れ診断・治療に役立てていただけると嬉しく思います。

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