腫瘍性・膿瘍性疾患による脱毛

胸腺腫

ウサギの胸腺は成熟後にも残存し、リンバ起源および上皮起源の胸腺腫がみられることがあります。

ウサギの胸部腫場性疾患において胸腺腫は比較的よくみられる疾患であるが、その発生率や品種、年齢、性別などによる好発性は現時点では詳しくわかってないです。

胸腺腫が胸腔内を占拠することにより、静脈圧が上昇することで引き起こされる無痛性両側性の眼球および第三眼験の突出がよくみられます。

胸腺腫の腫場随伴症候群として剥離性皮膚炎がみられることがあります。

これは、胸腺における異常な抗原提示によるT細胞の関連が考えられます。

このような脱毛がみられた症例では、胸腺腫との鑑別が必要となります。

前縦隔リンパ腫

主な鑑別診断

前縦隔リンパ腫は、ウサギの前胸部の腫場性病変において、胸腺腫に次いでみられます。

症状は前大静脈症候群で、両側性の眼球または第三眼験の突出や、頻呼吸、呼吸困難がみられることがあります。

治療

確立した治療法は存在しないが、ステロイド単独で寛解維持した報告やロムスチンによる化学療法の報告などがあります。

私の経験した前縦隔リンバ腫の症例において、ステロイド療法にて良好な結果が得られたが、顎部にて脱毛がみられました。セロハンテープ法、真菌検査にて外部寄生虫および真菌は陰性であったが、細菌感染は除外できません。よって、ステロイドによる易感染性からの細菌感染かステロイドの副作用による脱毛と考えられるが、議論の余地があります。

主な鑑別診断

  • 胸腺腫
  • 歯根膿場、後眼部腫場(両側の眼球突出)など

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