膿瘍

ウサギの膿瘍は緩慢に発達し、無痛性で被包性の膿瘍として進行します。また、膿瘍がみられる部位に脱毛がみられることもあります。

PasteurellaMultocidaが比較的多く分離されるが、Staphylococcusaureus.Pseudomonasspp.Fusiformisspp.t1EDE

もまた分離されます。

これらの細菌感染に反応して乾酪性の化膿性分泌物を含んだ壁の厚い膿傷を形成する。

ウサギの膿揚は頭部や顔面周辺で多発することが多く、基礎疾患として歯牙疾患を有していることが多いです。

感染経路は、直接·隣接部位からの感染や拡大、遠位部からのリンパ向性、血行性の播種などがあります。

また、発生要因として、免疫低下、異物の存在、組織の虚血や壊死、血腫などがあげられます。

膿瘍の症状は、障害を受けた組織によって異なってきます。

炎症、組織破壊、漆出物による器官の機能不全が複合的に作用して症状が発現します。

治療

ウサギの膿瘍は単に切開、洗浄、排液を行う治療法では濃厚な溶出液はうまく排准されず、再発する可能性が極めて高いです。まず基礎疾患を確定することが重要です。ウサギで多発する臼歯過長症に起因した下顎膿瘍の場合は、臼歯過長症などの治療とそれに伴う感染源を除去し、できるかぎり多くの漆出液や感染組織を除去します。すべての膿瘍を切除するか、徹底的に膿瘍腔を調べ、すべての壊死組織をデブリートメントする、また、周囲組織への汚染を最小限にし、感染症の治癒のために抗生物質を使用します。

私は、歯根膿傷などに対してはカルシペックスを使用した方法を多用します。カルシペックスはヒトの根幹治療にて使用される水酸化カルシウム製剤の一種であり強アルカリによる殺菌作用と組織を刺激することによる硬組織形成作用があります。

外科的処置の際に被膜を残して開放創にし、充分に洗浄したあとにカルシベックスを注入します。

悪化した際の予後

膿瘍は進行すると骨融解を招き、四肢に発現した場合は断脚などの処置が必要となってくる場合があり、予後不良が多いです。よって、膿瘍がみられた場合は、しっかりとしたインフォームド・コンセントが必要です。

主な鑑別診断

  • 肉芽腫
  • 腫瘍
  • 養胞など

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