湿性皮膚炎、皮膚糸状菌症

細菌性皮膚炎のなかでも比較的高頻度でみられる疾患で、皮膚が持続的に湿った状態で生じ、脱毛や細菌感染などがみられます。

分離される細菌としては、Staphylococusaureus、Pseudomonasaeruginosa、Pasteurellamultocidahが最も多いです。

湿性皮膚炎の発生がみられる主な部位と原因は、次の通りです。

  1. 眼(主に流涎)
  2. 下顎(主に口腔内疾患による流海)
  3. 前肢(主に口腔内疾患による流延)
  4. 腹部~陰部(主に尿)

皮膚糸状菌症

真菌性皮膚疾患の原因のほとんどが皮膚糸状菌(TrichophytonmentagrophytesMicrosporumcanisなど)です。

皮膚糸状菌症は比較的まれな疾病であり、病原性は弱いがさまざまな原因による全身性・

局所性の免疫防御能低下が発症要因となります。

皮膚症状として、円形で痴皮と紅斑を伴う掻搾性の脱毛を引き起こします。

顔面(頭部、鼻周囲、耳の基部)や四肢などの頻繁に毛繕いを行う部位で好発するが、身体のどの部位にも発生します。

診断は、病変進行方向の辺縁部からの被毛や鱗屑、落屑を採取して直接鏡検を行いますが、真菌培養がもっとも確実な確定診断法であります。

しかしウサギは犬、猫よりも偽陰性となる確率が高く、培養結果が陰性の場合でも本症を除外診断するのは危険です。

また、ウッド灯検査はM.canisのみの検査であるため、陰性であってもT.mentagrophytesの可能性があるため、注意が必要です。

皮膚糸状菌症は自然治癒することもあります。

治療

治療薬として、抗真菌剤(イトラコナゾールなど)があげられます。ウサギの皮膚糸状菌は治療期間が長期化する場合が多いことを、説明する必要があります。

抗真菌薬の塗布も有効ですが、個体によって自舐により悪化する場合もみられます。

可能な場合は病変部を比較的広域に剃毛し、感染部位の特定を行います。

また、本症例は人獣共通感染症であるため、羅患動物の管理には注意が必要です。

主な鑑別診断

  • ツメダニ、ズツキダニ
  • 耳ダニ
  • ノミ
  • 接触性店
  • 毛噛み
  • 注射跡
  • グルーミング不足 など

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